裾の話
ズボンの裾には沢山の魅力が詰まっているのだけども、不思議と共感されないです。
細さや太さ、長さまでがアンダーコントロールにあって、おしゃれな人は必ず気にかけているはずなのだけど、この魅力があまり世間的に力を持っていないことがどうも不思議だなあと思います。
太めのパンツだと足の細さをみた時に、「え?それでこんな体を支えられるの?」という不思議な気持ちになります。
自分の体に沿わないものを着た瞬間に、自分の体が拡張されて少し大きな気持ちになるみたいなんだけど、中身とのギャップをみた時に、何か見てはいけないもののような不気味さが、その人の隠したかった生身の身体が現れるのでゾクゾクさせられます。
むしろぴったりしたパンツだと、「見なさいこの美脚を!」というメッセージにも見えて、その人の足に対する自信とかが伺えて、かわいいなあと感じてしまい、甲乙は結局つかないのでした。
僕が服を好きなのは結局こういう人の気持ち的なものが外に出てきてるのを見れるからで、その人の言葉より深い意味で相手を知れる気分になります。
ところで、最近は切りっぱなしの裾が流行っているけれど、あれは規格からはみ出したいと思ってるんじゃないでしょうか?
最近世界はガチガチだし、普通でいてもつまらないから、良くも悪くも振り幅が欲しくて、裾がちぎれちゃった。
ちぎれた裾にはチェーンステッチが施されていて、洗うとこう、キュルキュルっとアタリが出るはずだったのに、その未来ごとちぎっていて、瞬間的な気配がする。
こう、どうにでもなれや!っていう気概?ヒッピー的なノリがあの裾にはありますよねえ
ちなみに僕の今履いてるboncoura のホワイトデニムは、丈が短いのを隠すために2回折り曲げて履いてますが、結構短くて普段風が当たらないところまで風が当たって、なんだか隠したい気持ちに駆られています。
同じサイズのboncoura のブルージーンズを持っていて、大丈夫だと思ったのに、なんで短いの、丈…
このboncouraっていうジーンズが有名なブランドは、僕がデニムオタクになるきっかけなんですけど、名前が
1.フランス語のボンクラージュ。頑張れって意味みたい
2.ぼんくらっていう、あの、悪い意味だけどちょっとかわいい感じの日本語
がかかってるって、何かで読んだ気がします。
ぼんくら君に対して、がんばれ!って言う感じ、デニムのタフさとオーバーラップされてすごく心地いいなあと思います。
僕としては、ジーンズの良し悪しは履いていった時のコットンの粘りなんですけども、この面でも非常に良しなので、皆さん履き続けると手放せなくなると思いますよ。
裾が関係なくなっちゃった。